○なつのぼうし○
空中フリーハンドで形をつくっているものの多い、なつの天然素材の帽子たち、
今年もフーコショップさん(田原町)にてお手に取っていただけます。
個体差のあるなつものの天然素材、それぞれの素材と対峙しながら、そのものの気持ちよさや触れた手から描き出される曲線を生かすようにして、フォルムを作ることしかできないわたしは、形はいろいろ、一点ものばかりを作っています。
前後ろ右左、どこを正面にしてもかぶってもらえる、軽くて風のぬけるお帽子。作りながら何回も頭にのせて、向き角度で雰囲気の変わるフォルムを作るのをたのしんでいます。
気分にあわせて、頭の上でくるりと回して雰囲気を変えてみたり。靴を3回カチカカチと鳴らして行きたいところに行けるあの子のように、くるりくるくるりとまわしてみたり。うんと小さくなって、量子の間では瞬時にたくさん存在できるような、空間にさらに間のあるような、そんな場所のことを芝生の上に横になっている時には思ったりするもの。帽子をまわしてそこに行けたらよいな。空想から戻ってきたときの眩しさと風と大地の心地よさに、帽子を顔にのせてうつらうつらとしながらも、まぶたの内にぼんやりと広がる薄紅色と光熱を感じるその時、今のここにいられることはしあわせだなと思うのです。
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